序文 執筆動機


  この文章を読んでもらいたい人

  ・面白くないゲームを作った経験がある人
  ・自分が面白いと思えるゲームを製作したい人
  ・他人が面白いと言ってくれるゲームを製作したい人
  ・多くの人に受け入れられる名作ゲームを製作したい人


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 前作、ゲーム解体新書では、『いかに面白いゲームを作るか?』ということを命題にして執筆しました。今回のゲーム解体新書2では『いかに面白くないゲームを作らないか?』を命題に執筆したいと思います。前作にも書きましたが、面白いゲームとは面白い要素がたくさんありながら、面白くない要素がほとんどないゲームのことだと私は考えます。面白い要素があることを攻めの要素とするならば、面白くない要素がないことは守りの要素なのです。言わば、隙のない鉄壁の守りを考えることが面白いゲームを作ることためには重要なことなのです。

 一般的に、ゲームを製作する場合、面白いゲームを作ろうと考えて、ゲームの攻めである『面白い要素』を念頭に置いてゲームを製作することが多いのではないでしょうか。実は、このことこそがゲーム製作でよく失敗する理由なのではないかと思います。つまり、ゲームの守りである『面白くない要素がないこと』をまるで忘れてしまっているのです。ゲーム製作では時間、技術、資金、情熱、組織などの様々な制約があり、常に不確定要素が多数付きまといます。それ故に、失敗しないこと、確実に成功を収めることこそが重要なのです。

 ゲームにとって面白くない要素とは、明らかにマイナス要素です。それに対して、面白い要素とはプラス要素と言えるでしょう。もし、面白くない要素が面白い要素を上回った場合、そのゲームは遊ぶ価値がないゲームと断定しても差し支えないでしょう。つまり、ゲーム製作の全体を考えると、いかにプラスの収支で完成させるかということが重要になるのです。

 この文章では、ゲームで感じる面白くない要素を書出し、何故それが面白くないのかを明示したいと思います。言わば、過去の失敗を明らかにして、その失敗を2度と踏まぬように教訓としておきたいのです。なお、この文章は前作、ゲーム解体新書の裏側から見た部分であるかもしれません。両方併せて、ご覧頂ければ、よりよく理解していただけるのではないかと考えています。前作と重複している部分がありますが、ご了承下さい。

 ゲームを製作するということは、ほとんどの場合、骨の折れる労力が必要になります。せっかくゲームを製作すると決めたのならば、是非、面白いゲームを製作してもらいたいです。ゲーム製作の時に、この文章を読み返して、面白くない要素がないゲームを製作してもらえることを望みます。この文章がゲームを製作する上で読んだ方の何らかのお役に立てれば幸いです。



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