■コスティキャンのゲーム論・解説

●「ゲームは玩具ではない」


 ゲームは「おもちゃ」ではない。
 コスティキャンは「シムシティ」のゲームデザイナー、ウィル・ライト氏が


「シムシティはゲームではなく、玩具である」


と言うことから、こう解釈します。



「彼は、本物よりずっと輝かしい仮想的なボールを作り出したわけだ。

 このボールは奇妙な動きをするので、色々と試してみることが出来る。

 壁にぶつけて反射させることも出来るし、回転させることも、投げることも、ドリブルすることも出来る。


 そして、望むなら、このボールで「ゲーム」をすることも出来る。

 サッカーでもバスケットボールでも何でも可能だ。


 しかし、ボールそれ自体にはゲームの要素は含まれていない。

プレーヤー間で決められた約束事の集合体がゲームなのであり、ボールはそれを実行するために使われる玩具に過ぎない」




 ボールは、跳ねさせたり、投げたりして、その特性(跳ねる、投げられる等々)を使って、単体で「遊ぶ」ことができます。


 しかしボール自体には、ルールも目標もありませんよね?


 それぞれのゲームで使われる、「道具」の一部でしかないわけです。


 これは逆に言えば、ボールはどんな使い方、遊び方をしてもいいもの、と言えますね。
 だからこそルールをいろいろくっつけて、さまざまな球技ができあがるわけです。


 道具にルールと目標をくっつけることで、それは勝利(達成)を目標にした「試合」、つまりゲームになる…。

(ルールがあっても目標がなければ、ルールはほとんど意味のないものになります)


 ボールは遊ぶ道具である。

 それに対しゲームは、ルールがあり、勝利(達成)を目標にするものである。



 「遊ぶ」という意味では一緒の枠にくくられますが、遊びの種類としては、上のような違いがある、ということですね。


 図を作るなら、「いじる遊び」という輪を取り囲む、「勝利する遊び」の輪がある、と言えますね。


 ボールがインタラクティブ(双方向性:いじれば反応があること)を持てば、同時にそれを使った遊びもインタラクティブになります。

 ゆえにコスティキャンはこう締めくくります。



    →「玩具」もインタラクティブだが、「ゲーム」はそれに加えて
     「目標」を持つ。



 ゲームを根本から作る時は、まずいじって楽しいモノを作る。
(スーパーマリオで言えば、まずジャンプする感覚が楽しいマリオを作る)

 それから、それを使って達成するルールと目標を作る。
(ゲームオーバー条件、クリア条件を決め、障害物のあるマップを作る)


 こういう流れで作るのがいいかもしれませんね。


 実際、スーパーマリオを作った宮本氏は、先にマリオを作ってジャンプの感覚を確かめてから、大きくなるとかブロックを壊せるなどのギミックを作っていったと聞きます。


(続く)

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コスティキャンの「ゲーム論」はこちら。
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