■コスティキャンのゲーム論
●目標

 あなたは人生に目標があったほうがいいと思いますか?

 それともないほうが自由でいいと思いますか?



 なんでもそうですが、目標があるとないとでは「動機」(モチベーション)
が違ってきます。



 目標がなければ、どこに行ってもいいし、なにをしてもいいわけです。

 しかし、それは「方向性がない」ということですし、そこでされる行為には
「蓄積」がありません。
 それをしたからといって、なにかが達成される、ということはないわけです。

 ですから「目標がない」という状態は自由ですが、空虚さが漂います。
(目標がなければ、気を紛らわす行為ばかりすることになるでしょう)


 ゲームで言えば、「つまらない」という状態です。


 これと同様に、コスティキャンは言います。



「目標がなければ意志決定は無意味になってしまう。

 AもBも同じこと。どちらでも好きな方を選びたまえ。どっちを選んでもど
うせ何の違いもないのだから。

 どちらを選ぶかが違いを生むためには、つまりゲームが意味を
持つためには、何か狙うべき対象、つまり目標が必要になるのだ」




 目標がなければ、意思決定は無意味になる!
 重い言葉ですねー。


 ここで目標のないゲーム「シムシティ」をちょっと考えてみましょう。


 プレイヤーはゲームを始めると、与えられている予算でとりあえず道路を引
いたり、住宅地を建てたりします。


 「街をデザインする」、これは新しく面白いことですから、はじめのうちは


「道路はこう引いて、線路はこう引くと住民には便利かな」

「ここは住宅地で、働くための工業地帯は公害があるから郊外を作って…」


などと、想像を膨らませながらゲームをします。

 この時点では楽しいわけです。デザイン感覚を刺激するゲーム、
自由な想像力を掻きたてるゲームは、とりあえずキャンパスがあるだけで
面白い。


(↑新しいゲームを作るためには重要な要素ですね)



 しかしこれだけだと、いずれ飽きてしまいます。

 「いじる」だけだと、限界があるんですね。

 「なにをキャンパスに書くか?」それが必要なんです。



 じゃあ「シムシティ」はつまらないゲームなのか? というと…。


 実は「シムシティ」は目標のないゲームと謳ってはいますが、実はプレイヤー
が目標を勝手に設定するように促す要素があるんですね。


 「公害が発生しました!」

 「犯罪率が上がっています」

 「税金が高いと市民が訴えています」

 「人口が30万人に達しました!」


 …こういう表示がされると、プレイヤーは「ああ、対処しなくちゃ」とか
「もっと人口増えるとどうなるのか?」などと、考えるわけです。

 考えさせる表示をする。するとプレイヤーは動く。


(↑さらっと書いてますが、これかなり重要です)



 ただ、「シムシティ」のこういったアプローチは、「新しいゲーム」として
の位置付けを作るにはいいのですが、プレイする上ではちょっとまわりくどい。


 「メガシティを作れ!」とか、なんでもいいんですが、明確な目標を設定し
てあげたほうが、プレイヤーは熱中し、ハマるんです。



 なにをすればいいか、明確だからなんですね。

 目指すところが分かり、そしてそれをクリアすれば、「ご褒美がある!」と
分かるからなんです。


 明確さは力なり! ですね。



  →ゲームを分析するときには、「このゲームの目標は何か。目標は
   単一か。複数の目標があるなら、各プレーヤーが自分の目標を決める
   ことが出来るようにするための仕掛けは何か」ということを考えなけ
   ればならない。


 ちなみにプレイ中、プレイヤーに常に「すること」を与えることは、


「ひっじょ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜にっ!」


重要です!

 「ハマる」ための必須要素です。

 これについては「小目標」や「中目標」を作る必要があるのですが、詳しく
は「Game Design Tips48」や「宮本茂論」に書かれています。

▼Game Design Tips48
http://www.n2gdl.net/bookshop/gametips48/gametips48.htm

▼宮本茂論
http://www.n2gdl.net/bookshop/miyamoto/index.html


 買った人はもう一度チェックしてみてください。

(続く)

コスティキャンのゲーム論はこちら。
http://www.n2gdl.net/topics/topic004/main.html


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