■コスティキャンのゲーム論

●「ゲーム」を魅力的なものにする他の要素
プレーヤー同士の交流


 今回のこの項目は、非常に重要です。

 ゲームがプレイされる真の目的、と言っても過言ではないと思います。


 コスティキャンはこう言います。


「歴史的には、ゲームは主に社交の手段として使われてきた。

 「ブリッジ」「ポーカー」「ジェスチャーゲーム」といったゲームの場合、
最も大切なのは一緒にプレイしている仲間との交流であって、
勝敗は二の次といってよい」



 これは、今のゲームでも変わっていません。

 ひとり遊びのゲームであっても、そのプレイの体験をネットの掲示板などで
共有することが、いかに楽しいか?

 ちょっと古いコミュニケーションも混ざりますが、


・「裏技」の情報をもらうこと

・ハイスコアを巡って人と競争すること

・ゲームの攻略情報を交換することで自分のプレイが磨かれること

・ゲーム内の難しい謎のヒントをもらうこと

・プレイしての感想を歓談すること



 こういったことが、ゲームの面白さを倍増させていました。

 今でも、掲示板でこんな情報が交換されていますよね?


 ゲーム雑誌は、こういったコミュニケーションの発端であり、「今週号のあ
の記事見た?」などと、話題を提供する媒体なのです。

(しかし雑誌は今、そういった役割を失いつつあります。なぜでしょうか?)


 ゲームはその内容だけが注目されがちですが、実はゲームの
外側で行なわれるコミュニケーションこそが、ゲームの面白さを
てこの原理(レバレッジ)的に増大させることができるんです。



 なぜなら、ゲームでの「熱狂」は、ゲームの面白さと合わせて、「口コミュ
ニケーション」が連鎖反応的に起こることで実現されるからです。


(その方法は…? これは後ほど「熱狂の研究」としてレポートにまとめます)


●ゲームは「コミュニケーション」に回帰する

 昔のゲーム、カードゲームやボードゲームは、人が集まって遊ぶしかありま
せんでした。
 遊ぶのに相手が必要だったからです。
 この時点では、ゲームはコミュニケーションツールの1つとして機能してい
ました。


 コンピュータゲームが現われ、ゲームの相手をコンピュータがやってくれる
ようになってからは、ゲームはひとり遊びのメディアとしての色合いが濃くな
りました。


 つまり、それまでは完全に参加型だったものが、漫画や小説、映画と類する
メディアの要素が入り、受動的要素が入ってきたのです。


 要するに「プレイすること」そのもので盛り上がるのではなく、その「ゲー
ムが持つ作品性の評価」が、盛り上がりの対象となっていったということです。

(ボードゲームやカードゲームが、そのゲーム性について盛り上がることはほ
とんどありません。「遊ぶ」こと自体が楽しみの中心だからです)


 その流れはゲームマシンの表現力が上がるほど強くなります。
 また受動的メディアの方法論が持ち込まれ、ストーリーの重要性が高まるほ
ど、プレイヤーが参加して楽しむという方向性は薄まっていきます。


 しかしコスティキャンが言うように、その流れは単に「技術的な制限によっ
て生ずる一時的な問題」であって、ネットワークが普及し、課金インフラ(基
盤)が整えば、再びゲームと「プレーヤー同士の交流」が切っても切れない関
係に戻るものと、私は思います。
(コスティキャンもそう信じています)


 なぜなら?

 最終的に「人」は「人」に対して一番興味を持ち、面白いと思うからです。


 「人」がゲームと密接に組み合わされば、これ以上に面白いものはあるはず
がありません(と、断言したい)。


 コスティキャンはこう言います。

「だから、ゲームをデザインするときは、そのゲームがプレーヤー同士の交流
にどう関わってくるか、ルールが交流を促進するか阻害するか、よく考えた方
がいい」

  →ゲームを分析するときには、「このゲームをプレイしているとき、
   もっとプレーヤー同士の交流を促進するにはどうすればいいか」という
   ことを考えなければならない。


(続く)

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コスティキャンの「ゲーム論」はこちら。
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