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   8年目ゲームクリエイター・ムーブメント研究!

   ハ マ る 仕 掛 け を 作 る !

   第29回 「メイキング・オリジナリティ(5)」

   2004/11/01(mon) release

   配信元:ゲームのしくみ研究委員会
   http://www.n2gdl.net

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■ごあいさつ
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 新しく登録して頂いた方、はじめまして。
 すでに購読していただいている方、おひさしぶりです。

 ゲームのしくみ研究委員会、委員長の新田です。

 このメルマガはゲーム業界8年目の私が、

・これからゲーム業界に入ろうとしている人
・ゲーム業界に入ってまだ日が浅い人
・人をハマらせるもの作りに興味のあるあなた

に向けて、情報発信することを目的として発行しています。

 また、ムーブメントつながりでビジネスモデル構築やマーケティング理論、
心理学、NLPなどにも非常に興味がありますので、これらの
「人をハマらせる」技術も、あわせて発信していきたいと思います。

 どうぞ宜しくお願いします!

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■メイキング・オリジナリティ(5)
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 ゲームのしくみの新田です。

 週末は雨がけっこう降りましたね。けっこう肌寒かったです。

 結局営業で渋谷に出る以外は、どこにも行かず家に引きこもり、いろいろ作
業をしてました(秋葉に洋ゲー買いに行きたかった…)。

 最近はゲームとは別のビジネスの引き合いが多くて、いろいろな社長さんと
会うことが多かったりします。

 そこで思うのは「ビジネスってけっこう簡単な発想から生まれるんだな」と
いうことです。
 他愛も無い話から「それはいけますよ!」みたいな話がポンポン。
 まあ、どれを本格的に実行するかが、大きな鍵なんですが…。


 さて、前回の続き。

 最小限のコストで、大きな成果を出すやり方。

 売れるオリジナリティを見出す方法。

 では、そのやり方とは!?


●テスト・マーケティング

 はじめに断っておきたいのは、この方法はすぐにヒットゲームがバーン! 
と作れる魔法のような方法ではないということです。

 けっこう地道な作業なんですよ。

 ただし、これをするのとしないのとでは、結果が大きく違ってきます。

 特に大きな成果が出るまでの期間が大きく違ってくるでしょう。

 ではその方法とはどんな方法か? というと…。


 「テスト・マーケティング」という手法です。
 (以前にもちょっと紹介しましたね)

 今のゲーム開発でも、コンペという形で各社(この場合仕事が欲しいデベロッ
パー)が企画書を提出し、その中から「イケそうな」企画を選んで開発をスター
トする、という、いわゆる企画競争が行なわれています。

 しかしながら、これは審査員のフィルタリングで市場に出る形なので、テス
ト・マーケティングとは言いません。マーケット相手の調査でないからです。


 私がこのコンペで疑問に思うのは、「実際のデータが取れていない」という
ところです。結局審査員の感覚的なところで判断されるので、企画が選ばれて
も、本当にウケるのか? という疑問が残ります。
 確証に近いものがないんですね。

 そして今までにあったような、無難な内容のものが採用されてしまうことが
多いように思います。

 「売れる」というところに注目すると、どうしても過去に売れたものの判例
から推測することになってしまうからですね。


 それに対しテスト・マーケティングは、企画を基本的な部分以外フィルタリ
ングせず、「まず小規模に公開する」というところから始めます。

 市場に対して小規模なテストを行い、そこでプレイヤーが受けた印象やイン
パクトなどの、感覚的な部分のデータを客観的な数値に落とし、売れそうかど
うかを判断する。
 テレビの視聴率調査のように、統計学で部分から全体の量を推測するわけです。

 一定期間テストして、芳しくないならそこでテストは終了。

 「イケそうだ!」となったら、規模を大きくして本格的に作り始めるわけで
す。


 テストでは、実際結果が芳しくないことが多い。

 それはいかに売れるものを作るのが難しいか、ということを示す結果でもあ
るのですが、しかし、そこからもデータが取れるので、「では次にどうすれば
いいのか?」の判断がしやすくなるんですね。

 うまくいかなかった事例から、次の成功へのヒントが得られるというわけで
す。

 この、ヒントとしてのデータが得られるという部分が、非常に重要です。

 成功への蓄積になっていくわけですね。

 どういうものが爆発的に売れる要素になるのか? これが検証されていくわ
けです。

 テストですから、オリジナリティ溢れる奇抜な企画や「そんなのウケないよ」
という企画も、とりあえずテストしてみる…ということができます。
 実地検証ですから、その是非は明確に出ます。

 ゲームの面白さは企画で90%決まってしまいますから、初期段階でこうい
うテストをして企画の効果を測定することは大事です。

 というより、まるまる1本、大金を投資して1年かけて作ったら、結果的に
売れなくて、無駄な労力の投資に終わった…という徒労が行なわれなくなるこ
と自体が、非常に有益ではないでしょうか。


 ここで、ゲーム開発でテスト・マーケティングを実際に行なう場合を考えて
みましょう。


・テストでどの程度の規模を作るか

 これは実際に行なわれていないので、試行錯誤が必要だと思いますが、少な
くとも2週間〜1ヶ月で作れる規模だと思います。ミニゲーム規模ですね。

 グラフィックは簡単なものにし、プログラムはゲームのコアとなる面白さの
部分だけを作る…というように、余計な部分を殺ぎ落とした形にします。

 資金の問題もありますから、実機でなく、FLASHで作るなど、テスト・マー
ケティングのスクリプティング環境を用意して、コストダウンを図ることも
必然的になってくるでしょう。


・コンシューマゲームのテストはどうするか

 専用の開発機での製作など、外部に簡単に出せないような開発では内部でテ
ストをせざるを得ません。
 この場合はボランティアの人を連れてくるか、ゲームの専門学校生を連れて
きてに評価を手伝ってもらうなど(笑)、手を考えなければいけませんね。

 ただし、統計学では最低40〜50件のデータが集まれば全体を推測できる、
という数字が出ていますので、それほど多くの人手はいらないと思います。


・物語やシステムのトータルな完成度で売れるかどうかが決まるから、小規模
なものの判断では実際のデータとならないのではないか

 あくまでもゲームのコアな部分をテストするのが、テスト・マーケティング
の目的ですから、トータルな評価は困難です(それは、全体が完成したときに
しか評価できない形です)。

 ですので、あくまで物語は物語、システムはシステムと部分的に市場テスト
をしていく方法になると思います。

            *     *     *


 ゲーム開発は、まず売り出して市場調査をし、そこからデータを得る…とい
うマーケティングをするには、あまりにも開発規模が大きい。

 家電業界や車業界が行なっているような、事前の小規模テスト・マーケティ
ングを行なって、もうちょっと慎重かつ確実な開発を図っていく必要があるの
ではないかと思います。


 ゲームのような、作品性を強く打ち出す必要がある商品は、富にオリジナリ
ティがいると思うのですが、今の業態のままオリジナリティをひねり出すのは
「バクチ要素」が強すぎると思います。


 コンスタントに、オリジナリティがありかつ売れるソフトを出せるような体
制が出来て、ソフトの内容に多様性が生まれれば、キラーソフトが多く輩出さ
れ、業界の活性化につながるのではないかと思います。


(続く)

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■義援金のお願い!
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 新潟県中越地震が起きて、「なにかできないかな」と思い、自分で募金する
ほかに私にできるのは、ニュースレターやメルマガを読んでいる方に義援金を
呼びかけることだと思いました。

 ライフラインが破壊された被災地の人たちが切実に思っているのは、

「普通の生活に戻りたい」

ということだそうです。

 被災地の人たちがなるべく早く普通の生活に戻ってもらえるよう、ご協力お
願いします。

 以下に、募金を募っている公共団体の情報を載せておきます。


●テレビ朝日ドラえもん募金「新潟県中越地震被災者支援」
 電話一本で100円を寄付できるシステムです(携帯電話、PHS、公衆電話、IP
電話など一般の加入電話以外からはご利用できません)
募金電話番号: 0990-53-5000


●日本赤十字社
http://www.jrc.or.jp/sanka/help/news/664.html

●赤い羽根共同募金
http://www.akaihane.or.jp/saigai/20041024.htm

●日本郵政公社
http://www.japanpost.jp/pressrelease/japanese/kawase/041025j301.html

●新潟日報
http://www.niigata-nippo.co.jp/tyuetujisin/newpage3.html

●NHK新潟放送局
http://www3.nhk.or.jp/saigai/niigata/616_1.html


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締切は、11月20日の23時59分です。

 ふるってご応募ください!!

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 当選者はサイト上にて発表します。

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■バックナンバー
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 バックナンバーはこちらで見ることができます。

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■編集後記
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 今回のオリジナリティに関する話はもうちょっと続きます。

 私の中で「オリジナリティ」は、売れる作品として必要な要素という意識と、
その実態がけっこうかけ離れているところが気になっていますね。

 あと、「個の表現としてのオリジナリティ」も、売れるという意味合いから
離れて考えたいと思います。

 ということでまた次回!

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