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   8年目ゲームクリエイター・ムーブメント研究!

   ハ マ る 仕 掛 け を 作 る !

   第33回 「ギャップ・マジック(2)」

   2004/11/29(mon) release

   配信元:ゲームのしくみ研究委員会
   http://www.n2gdl.net

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■ギャップ・マジック(2)
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 ゲームのしくみの新田です。

 みなさん年末はどうされているでしょうか?

 ゲーム業界の人は、年末ラッシュに向けてのマスターが終わってホッとして
いるか、年度末ラッシュのマスターに向けて頑張っているかのどちらかだと思
います。


 ドラクエ8も出て、携帯ゲームマシンのPSP、DSも発売されるなど、今
年の年末はゲーム業界でも屈指の盛り上がりを見せようとしていますが、さて
今後どうなることやら。


 シリーズものゲームと新規のプラットフォームでつないでいくのが業界のセ
オリーですが、そろそろ日本のゲームにも「これだ!」というキラータイトル
が欲しいところですね。


 かくゆう私は公私いくつかのプロジェクトでカタカタやっている毎日です。


●ラポールを作れ!

 ディズニーのキャラクタはダンボにしろピノキオにしろミッキーにしろ、ど
こか障害を抱えているところに、大きなギャップを生む秘密があるわけです(そ
れぞれどんな障害を持っていて、どんなギャップを生んでいるかは考えてみて
くださいね)。


 それから、障害を抱えさせるという手法のほかにも、まだやり方があります。


 実はこちらの方が一般的で効果的だったりします。
 大きなヒットを生んでいる作品は、必ずといっていいほどこの手法を使って
いるんですよ。

 では、その手法とはいったいどんな手法なのでしょうか!?


 …というところで前回は終わりました。


 ではその、効果的なギャップ・マジックとは?


 それは、「共感と障害を与える」という手法です。


 ディズニーのキャラクタやガチンコファイトクラブの生徒は最初から障害を
「抱えて」いますが、そうではなく、障害を「与える」んです。


 「ええ? そんなのあまり変わらないんじゃないの?」


 と思うかもしれませんが、ちょっと違うんです。

 例をあげましょう…。


 普通のサラリーマンであった鈴木は、平凡な暮らしをしていた。
 机に向かい、パソコンで事務仕事をする日々。
 生活に不満はない。しかしうだつの上がらない日々に、このままでいいのか、
という焦りを感じていた。

 そんなある日、一通の封筒が届き、鈴木の生活は一変した。


 その封筒には、「おめでとうございます! あなたは1億円ゲームに参加さ
れました。一ヶ月以内に1億円を持ってこなければ、あなたの命はなくなりま
す」という内容の手紙が入っていた。

 一緒に自分名義の1億円の借用書と、この「1億円ゲーム」に参加した人の
成否リスト、そして犠牲になったと思われる人々の写真が入っていた。

 「どういうことだ!?」と困惑する鈴木。
 そこに電話が入った。

 「封筒の中身はご覧になられましたか? あ、警察に届けようとしてもだめ
ですよ。届けた時点で、あなたの命はないものと思ってください。期限は今か
ら一ヶ月です。稼いだ1億円は確認したのち、お返しします。要するにこれは、
あなたの命の価値を明確にするためのゲームなのです…」


 …こんなふうに大きな障害を与えるわけです。


 「ええ? どうやって1億円稼ぐっていうの? 鈴木の命はどうなるのよ?
そしてこんなゲームをしてるのは一体誰なんだよ!?」

 って思いますよね?


 平凡な生活には、ほとんどチャレンジャブルなことはありません。
 自分で与えない限り、そこにはなんの刺激もないわけです。

 そこで大きなマイナスを与えます。
 越えなければいけない課題です。
 強制的に「目的」を与えるわけです。


 目的を達成することには大きな喜びがあります。
 そして困難が大きければ大きいほど、達成したときの喜びは大きくなります
よね?


 で、ここが肝心なんですが、一端、観客と同じ状態の人を見せておいて「同
じだ」とラポール(共感)を作っておき、その人をズドン! と苦境に落とす
と、観客は一気にまるで自分が苦境に陥ったかのような感覚を覚えるわけです。


 単にギャップを作るのではなく、ラポールを作っておくところがミソです。
 こうすることで、ギャップの効果はさらに大きくなります。


 人は自分と同じ部分を持つ人に、大きな感情移入をするからなんですね。

 ↑ここ大事ですよ!


 エヴァンゲリオンがなぜあんなに大ヒットしたのか…?
 その一端に、主人公シンジの性格が…。
 今の時代背景を考えると、プレイヤーのこころの中にシンクロする部分があ
りそうですよね?(それはいったいなんでしょうか?)


 売れる曲はどうしてあれほど共感を生むのか?
 これも今の時代背景的にリスナーのこころに…なにかありそうですよね?
 (なにが共感を生んでいる?)


 そして最近8が出たドラクエですが、監督の堀井さんは、どうしてかたくな
に主人公に喋らせようとしないのか?

 なんとなくわかりますよね?
 (それは主人公が○○○○○だからですよね?)


 …さて、効果的なギャップの作り方がわかったところで。

 この物語の結末はいったいどうなるでしょうか?
 ちょっと予想してみてください。


 「まあ、1億円稼いで、ゲームに勝つだろうな」


 って、なんとなく予想しましたよね?


 そりゃそうですよね。
 マイナスを作ったんだから、それはギャップの効果を作るためにプラスに転
じさせなくては意味がない。


 でもここで、そのままゲームに勝たせたのでは、もったいない。


 観客が「えええっ!?」と驚くしかけをしなくては、超もったいないんです!


 ではそのしかけとは? いったい!?

(続く)

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■編集後記
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「………!!!! こ、これは! 見るものがすべてゲームのネタになった!」


 くらいのインパクトを受けた発想法を発見しました。
 「!」の数がドラゴンボールばりに多くなったのは伊達じゃないです。

 マジですごいです。

 これはほかの人に教えたくないほどです。


 ということで教えません。


 いや…ゲームのしくみを見ている人だけに、来週くらいに教えたいと思いま
す(笑)。


 ということで(どういうことだか)また次回!

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