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   8年目ゲームクリエイター・ムーブメント研究!

   ハ マ る 仕 掛 け を 作 る !

   第34回 「ギャップ・マジック(3)」

   2004/12/06(mon) release

   配信元:ゲームのしくみ研究委員会
   http://www.n2gdl.net

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■ギャップ・マジック(3)
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 ゲームのしくみの新田です。


 NDS(ニンテンドーDS)触ってみました(人のですが)。

 ピクトチャットというか、ワイヤレスネットワークに可能性を感じましたね。

 タッチスクリーンとワイヤレスネットワークでRTS(リアルタイム・スト
ラテジー)系の対戦ゲームができるな、というのを最初に思いついて、次に挨
拶などのわずらわしさがない「乱入型対戦ゲーム」がイケるんじゃないかと思
いました(ありがちなんですが)。


 他人同士で通信対戦をしてもらう場合、電車の中などのニッチな時間で通信
しながら遊ぶゲームは、必然的にいつ入っても抜けてもいいゲームになり、か
つひとりでも続けられる形が必要だと。


 あとワイヤレスゲーム仲間が集まる場を定期的に用意して、対戦・交換系の
ゲームを流行らせれば面白いかもしれないですね。GBAみたいにケーブルを
つなぐ必要がないから、ウイルス的にデータが拡散するゲームも面白いかもし
れません。


 ワイヤレスはインターネットにも接続可能なので、ホットスポット(自由に
使用できる無線LAN環境のある場所。マクドナルドなどが実験的に行なって
いる)を介して日本中を繋げてなにかをやる…というのも考えられますね。


●いい意味で裏切る

 一ヶ月以内に1億円稼がなければ殺される「1億円ゲーム」。
 それは参加者に「命の価値」を存分に味わってもらうためのゲームだった。


 鈴木は自分の望まぬそのゲームに強制的に参加させられ、命を落とさぬため
の奔走を続けるはめになる…。


 前回はこのストーリーの結末をちょっと考えましたね。


 「まあ、1億円稼いで、ゲームに勝つだろうな」


 と、なんとなく予想しました。


 マイナスを作ったんだから、それはギャップの効果を作るためにプラスに転
じさせなくては意味がない。


 でもここで、そのままゲームに勝たせたのでは、もったいない。


 観客が「えええっ!?」と驚くしかけをしなくては、超もったいない!


 ではそのしかけとは?


 はい。
 ここで押さえておかなければいけないことはひとつ。


 「読み手の予想の範囲内ではいけない」


 ということです。


 「いい意味で裏切る」という言葉がありますね?


 この言葉には、結末がなんとなく予想できて、実際にその通りに進むんだけ
ど、最後は予想以上の事が起こって、予想を裏切られる、そういうニュアンス
があります。


 つまり、「予想させつつ、予想外のことを起こす」ということなんです!
 これがしかけです。


 小説などのシナリオでは、主人公はまず生き残ります。
 そして正義が最後に勝つという結末、ハッピーで終わるという結末がパター
ンです。読み手もそれを分かっていて読んでいます。

 そこにシナリオの「予想」があるわけです。



 人の間で起こる出来事というものは、殴られれば怒る、殺されそうになれば
助かろうとするなど、因果と流れがあります。

 因果とは必然の連鎖。

 流れとは方向性と勢いです。


 人はその因果と流れを読んで、シナリオがどう展開するかを予想します。


 たとえ話でドラゴンボール。悟空VSフリーザ編(好きだね…)。


 悟空が必ず勝つと分かってはいるんだけど、フリーザが強すぎて、シナリオ
の流れから、悟空はどうやっても勝てないんじゃないか? 今までの技のどれ
を使っても勝てなかった…。

 と、読み手は予想するわけです。


 でも、パターンとして悟空が勝たなければおかしい。
 正義は勝つはずだ。


 ここでプレイヤーは「予想」と「パターン」の間で葛藤しますが、パターン
として悟空が勝つはずと予想。


 たぶん助けが入ったり、頭を使った工夫をして、ギリギリ勝つんだろう。
 (ホントよくあるパターンなんですよね、これ)


 誰も助けられない状況から言って、悟空が「これしかねえ!」とか言って、
頭を使って勝つんだろう。 いずれにしても瀕死の重傷になるはず。


 それがよくあるシナリオのパターン。


 そこでドンデン返し。スーパーサイヤ人に変身!

 読み手:「ハア!? なんじゃこりゃー!?」

 予想だにできない変身を遂げた悟空は、余裕でフリーザに完勝!


 あの回は私もさぶいぼが立つくらい興奮しましたね…。
 「なんだこの変身!」とか言いながら、何度もページを戻って読み返しまし
た(笑)。


 ということで、しかけの概要はつかんでもらえましたでしょうか?


 まとめるとこうなります。


 「因果と流れをパターンから予想させ、その予想を越えた結末を用意する」


 「1億円ゲーム」も、単に1億円稼いでクリアじゃ、予想範囲内なわけです。


 黒幕を暴いてやっつける。これも、話の流れからなんとなく予想できますね。
 おそらくこれが結末になりそう、ということも。


 では、予想の範囲を越えるには?


 予想を越えるには、テスト0点魔が100点を取るようなギャップ以上が必
要です。120点を取るような、ありえない越え方が必要です。

 そうすることによって、ギャップの幅を大きく広げるわけです。


 1億円と言わず、10億くらい稼いだら? とか。

 このゲームは実は大掛かりなイベントだった、とか。

 殺し屋を雇って、殺し屋対決をしたら? とか。

 etc.etc...


 あなたなら、どう予想を越える結末を用意しますか?


 よかったらあなたの考えた「1億円ゲーム」の結末アイデアをお寄せくださ
い。 → info@n2gdl.net

(了)

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■編集後記
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 いや〜、「ハウルの動く城」見にいったんですが…。

 ここでネタバレするのもあれなんで、少しだけ書きます。


 「因果がおかしい」


 因果とは必然の連鎖でしたよね。

 つまり人物の行動・言動に性格的な必然性がなく、「どうしてそうなるの?」
「どうしてそう考えるの?」と、劇場で何度も思ってしまいました…。説明不
足の部分もたくさんあったなと思いましたね。


 絵や動きはすごく良かったんですが…。
 小説の要約をしすぎて話がぶっとんじゃったんでしょうか?


 ということで(どういうことだか)また次回!

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