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 ハマるしかけを作る! 8年目ゲームクリエイター・ムーブメント研究!
 第52回 「コスティキャンのゲーム論・解説(7)」  2005/04/11(mon)
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 ゲームのしくみの新田です。


 先週末は花見日和ということで花見に行ってきましたよ。

 何年ぶりかなあ?

 会社で行って、プライベートで行って、でした。

 さくらが目的じゃなくて騒ぐ理由が欲しいだけなんですけどね(笑)。


 それにしてもさくらが散っている景色は春の風情を感じますね。

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■コスティキャンのゲーム論・解説(7)
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●意思決定

 コスティキャンはまず、ことあるごとに「インラタクティヴ性」という言葉
がもてはやされていることに対して疑念をはさみます。


 「インタラクティヴ性」とは、要するに「双方向性」のことです。

 携帯電話で自分が話す。そうすると相手から反応が返って来る。

 それに対して自分が反応して話す。

 簡単に言うとこの「反応の応酬」が、双方向性ということですね。



 スイッチを入れると電灯がつく。

 ツールのアイコンをダブルクリックするとツールが立ち上がる。

 人に「おーい」と言うと「なに?」と返って来る。


 これらも双方向性ですよね?


 しかしこれらは「面白い」わけではない!

 単に「反応が返ってきている」だけなんですね。


 インタラクティヴの定義は、面白かろうが面白くなかろうが関係なく、単に
双方向である、と言っているだけなのです。



 ゲームはもちろんインタラクティヴです。

 パッドをいじると、ゲーム内の様子は刻々と変わっていきます。
 すべての状況はプレイヤーの行動によって変わります。

 しかし、インタラクティヴだから面白い、のではない。



 ではゲームにおいて重要なのはなんでしょう?

 本質的なのことはなんでしょう?

 なにが面白さの根源なのか?



 コスティキャンはそれを「意思決定」だと言います。



 「意思決定? 具体的にはどういうこと?」


 意思決定とは、「よし、こうするぞ」などと、行動の選択のときに起こりま
す。


 具体的な行動を決めるときに行なわれるんですね。


 コスティキャンは、インタラクション(相互作用)が意味を持つには、
「目標」がなければならない! と言います。



 目標を達成するためにどう行動を取るか。

 ゲームはそれを考え判断したり、悩んだりするのが面白い!



 先に進むために、ヒットポイントは足りてるか、アイテムは揃っているか、
強い敵が現われたらどうするか、宝物を手に入れたら退散するか、それともボ
スを倒すまでを小目標にするか…などと考える。



 目標があるからこそ、ベストチョイス(最善の選択)に向けての意思決定が
発生するんですね。

(その意思決定は、アクションゲームのような直感的・反射的な意思決定、シ
ミュレーションゲームのような長い思考を経ての意思決定など、ゲームによっ
てさまざまです)



 ひとつ言えるのは、この意思決定が難しいほど、面白さは増す傾向にある、
ということです。



 リスクとリターンを計った末の、「思い切った決断」が生まれるからですね。



 「風来のシレン」には「モンスターハウス」という、アイテムがたくさん落
ちているけれどモンスターも密集している、リスクとリターンが共存した部屋
があります。



 この部屋が出現したとき、持っているアイテムや自分の強さを検討しながら、
「アイテムを狙うか、それとも回避するか」を考え、決断することになります。



 また、ゲームではありませんが、みのもんたの「クイズミリオネア」や昔流
行った「究極の選択」などは、この決断の意思決定だけで面白さを出していま
すね。



 最後にコスティキャンは、意思決定には次の要素があると言います。


・目標

・障害物

・資源管理

・ゲームトークン

・情報


 次回からは、これら「意思決定をするための要素」について説明します。



  →ゲームを分析するときには、「このゲームでは、どのような意志決定
   が求められるのか」ということを考えなければならない。

(続く)

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■編集後記
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 今日はお手紙を紹介したいと思います。

 いい人たちに大勢恵まれそうな、名前の素晴らしい方からです。


縁(えにし) さん

>こんにちは弟子(勝手に)の縁です。
>自分はストーリー重視、システム重視、
>どちらがいいかは決められません。

>ただストーリー重視のゲームが多いことは確かですね。
>新しいシステムのものよりも、
>現存のシステムに、
>超気持ちいい(北島選手風)ストーリーをのせたほうが
>すんなりプレイできて、
>よいのかもしれません。

>夜九時からの連ドラでも、
>起承転結のお約束の枠組み(システム)があるほうが
>途中から見ることに参加できます。

>多くの人が枠組みに慣れているので、理解しやすい。
>ついつい見てしまいます。

>高視聴率を上げているのもウナズけます。
>そんなことを考えながらも、
>システム重視にロマンを感じている自分でした。



 コスティキャンの「ゲームはストーリーではない」を受けてですね。


 ストーリー重視とシステム重視。

 結局ゲームデザイナーの趣向の問題かなとも思いますが、ビジネスで考える
と「売れたシステム+新しいストーリー」でシリーズ化、が思い浮かびます。


 売れるシステムがまずすべての基盤で、これはトライ&エラー、オリジネー
ション(独自性)の発想で作らないといけない。


 そしてシステムの上に、交換可能なリソース(資源)であるストーリーを乗
せる。


 システムが売れるものだとわかったら、あとはストーリーを乗せ変えたシリー
ズ化でつなぎ、システムのイノベーション(革新)をして、会社を安定・成長
させていく。


 その間に新しいトライ&エラーを繰り返して新たな「面白いシステム」を構
築し、会社の新しい看板を作る…。


 簡単に書きましたが(笑)、システムを作るのがなかなか難しいですよね。


 私はどちらかというとシステム派で、オリジネーションがしたいほうです。

 新しく面白いシステム構築にも、ストーリー作成の起承転結のような定型式
があればいいのではないか? と思っています。

(それがゲームのしくみのセコンド・メソッドです)


 ということでまた次回!

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