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 ハマるしかけを作る! 8年目ゲームクリエイター・ムーブメント研究!
 第55回 「コスティキャンのゲーム論・解説(10)」 2005/05/09(mon)
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 ゲームのしくみの新田です。

 連休が終わりましたね。


 私は地元秋田で温泉三昧でした。

 あと、久しぶりに寒風山や入道崎にも行ってきましたよ。
(地元の人しか知らないと思いますが、いいところです)

 そして秘密のミッションをこなしました(笑)。


 あなたはどこに出かけましたか?

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■コスティキャンのゲーム論・解説(10)
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●資源管理

 ゲームにおいて意志決定はなにでなされるか? というと、それは「資源」
だ、とコスティキャンは言います。



 ここでいう資源とは、要はアイテムや各種パラメータ、管理すべきキャラク
タ等のことです。


 アクションゲームなら、プレイヤーキャラクタ、手持ちのアイテム、次のス
テージに行くために必要なアイテム等。


 RPGなら、プレイヤーキャラクタの攻撃力や防御力などのパラメータ、持っ
ている装備、特殊な宝石アイテム、覚えた魔法等。


 シューティングゲームならボンバーや配置されている装備チェンジアイテム
も「資源」ですね。また敵は、得点を稼ぐための資源とも言えます。


 SLGなら各ユニットであるし、ユニットを作り出すために必要な、それこ
そ「資源」と呼ばれるものがありますね。


 こうした「資源」は、ゲームにあたりまえに存在していますが、ゲームの中
には、


「これって意味があるの?」


と思わせるようなものもあります。


 意志決定はその状況において、意味を持たなければなりません。


 どういうことかというと…。


 例えば分かれ道があって、どちらを進んでも同じなら、そこで行なわれる意
志決定は意味を持ちませんよね?


 また、明らかに片方の道のほうが大きなメリットがあることがあらかじめ分
かってしまうなら、そこで行なわれる意志決定も、意味がないですよね?



 スーパーマリオで無限1UPという裏技がありましたが、あれはマリオの残
機の意味がなくなる技でした。

 ああなると残機を気にする(管理する)必要性がなくなり、プレイからだい
ぶ緊張感がなくなります。

 「あと1機しか残ってない! これで決めなければ!」という緊張を呼ぶ意
志決定がぞんざいになってしまうんですね。


 これは明らかにゲームの面白さを削いでしまう結果となっています。

(まあスーパーマリオの場合は、技にテクニックも必要だったので、無限1U
Pは「名物」として認識されましたが)



 「資源」は「面白さを感じさせる」ために存在しなければならないし、それ
にはプレイヤーがゲームを進行させる上で意味がなければなりません。


 コスティキャン曰く。

「結局のところ、「管理すべき資源」というのは、目標を達成するために管理
すべきルール上の要素、ということになる。なぜなら、ルール上の意味がない
「資源」をいくら考慮しても、目標を達成するために役に立たないわけだから、
つまるところ管理するだけ無駄ということになるからだ」


 ではどう資源を考え、配置すればいいんでしょうね?


 コスティキャンは、資源を複数にすることで「面白い葛藤」を作り出せると
言います。

 そして最も簡単でわかりやすい例示をしています。


 それは「メリットにデメリットを含める」手法です。


 例えば、「風来のシレン」にはモンスターハウスというイベント(?)があ
りますね。


 部屋にはアイテムがたくさん落ちていて、すべて手に入れたいんだけど、そ
れには部屋中にいるモンスターと戦わなければならないというリスクがある。


 今後の冒険が楽になるのでアイテムは絶対欲しい! しかしモンスターと戦
うだけの体力やアイテムはあるだろうか…? 手持ちのアイテムと相談してみ
よう…。


 これこそ、「面白い葛藤」です。

 「各種アイテム」や「アイテムを落とすモンスター」という「資源」は、道
中でも面白い葛藤を生みますが、このモンスターハウスにて、明確でわかりや
すい、そして最大限の「面白い葛藤」を生み出しています。


 それから、よくあるSLGのユニットも、「面白い葛藤」を生み出していま
すね。


 不利な部分と有利な部分を持つユニットは、あらかじめ「面白い葛藤」を生
み出すためのしかけを持っているといえます。


 例えば移動は遅いけれど強力な武器を持ったユニット。

 強力だけど、機動力がないのですぐに前線に出せないという葛藤があります。


 しかし足の速い輸送機と組み合わせると、足が速くて、なおかつ強力な部隊
が作れるわけです。

 こういう戦略は、プレイヤーに非常に爽快なプレイをもたらします。
 その強さは面白くてたまりません!



 ゲームに配置する要素は、こういうように「いかに面白さを生み出すか」を
考えて、密接に関係し合うように設計する必要があります。



  →ゲームを分析するときには、「このゲームにおいて、プレーヤーが
   管理すべき資源は何か。それらの資源は、意志決定の際に葛藤を引き起
   こすよう配置されているか。その意志決定は面白いものになっているか」
   という点を考えなければならない。

(続く)

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■編集後記
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 「コスティキャンのゲーム論」の解説もだいたい半ばくらいでしょうか?

 読み返してみると新たな発見があります。


 古典でも今現在のゲームデザインの視点から眺め返してみると、いろいろ新
しいアイデアが出てくるもんですね。

 ということでまた次回!

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