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 ハマるしかけを作る! 10年目ゲームクリエイター・ムーブメント研究!
 第103回「VAKの真髄」 2006/04/11(tue)
△▲──────────────────── http://www.n2gdl.net/▲△

 どうもです。ゲームのしくみの新田です。


 思うに、現在ウェブで出回っている技術を使えば、
「ドラクエI」は創れるし、「R−TYPE」も創れます。
 今ならFLASHでけっこう簡単です。

 そういう時代なんですよね。


 で、リアリティ・ゲームの時代が終わりつつある。

 ポリゴンの影がセルフシャドウだ、といっても、シロウトには
わからないし、ゲームに関係してこない部分は、なかなか評価されない。


 そこで「枯れた技術」「水平思考」で創られたゲームの評価が
上がってきている。

 やはりゲームはアイデアなんだよ! と。

 生活のニッチな時間にハマるゲームがウケるんだよ、と。


 私が構想しているインディ・ゲーム市場は、そんなニーズに
すっぽりハマる市場だと思っています。

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■VAKの真髄
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 VAKとは、前にも出てきましたが、


1・視覚 Visual

2・聴覚 Auditory

3・触覚 Kinesthetic


 のことです。


 人を「外界の情報を収集して、それに適用するよう生きる生物」として
捉えると、この3つの情報は、人間にとって非常に重要な情報です。


 なぜならこれらの情報があることで、外界を認識して対応を検討することが
できるようになるからです。


 VAK以外にも、


4・嗅覚 Olafctory

5・味覚 Gustatory


 という感覚機能がありますが、利用頻度は先の3つに比べて高くありません。

 人はVAKの情報を主に利用して、外界に対応しているんですね。


 で、ゲームでもこのVAKが重要になってきます。

 どう重要になってくるか? というと、これはもうインターフェイスが
とか、ゲームのバランスが、ということ以上に、まずこれが
ないと始まらない、というくらい重要なんですね。


 このVAKの組み合わせがしっかりとゲームにマッチしていないと
ゲームはどこかちぐはぐな印象を持ってしまいます。


 逆にVAKの効果性がしっかりと考えられていれば、そのゲームは
非常に面白いものになりうる。


●感情の動きをVAKで実現する

 ゲームは「感情の動き」を売りにした作品(商品)です。


 すべてのエンタテインメントは、「感情の動き」を提供しています。

 それこそがエンタテインメントの価値と言っていいでしょう。


 ではその「感情の動き」はどうやって作り出すのか?


 実は、それこそが「VAK」なのです。

 考えてみれば、人間が主に外界の情報を得るために使う器官が
VAKなのですから、そこから感情が生まれるのは当たり前ですよね?


 もう、それしかないわけです。

 VAKが感情の発生源なのです。


 では、どうすれば効果的に「感情の動き」を作り出せるのか?

 どうすれば、より人の感情を大きく動かせるんだろうか?



 それは、VAKの使い方にあります。



 あなたがゲーム上で実現したい「感情」が1つあるとしましょう。

 それは敵をぶっ飛ばす快感かもしれない。

 ギリギリの極限状態での戦闘で感じる緊張感かもしれない。

 片思いの彼女から告白される寸前のドキドキかもしれない。

 なんでもいいのですが、1つあります。


 そこで考えるべきなのは、こういうことです。


「そこのシチュエーションでVAKがどうあれば、その感情を
生み出すのに最も効果的か?」


 要するに、感情を引き出すには、それ相応のシチュエーションが
必要なんですね。


 シチュエーションとは状況のことですが、状況とは

 視覚、聴覚、触覚(VAK)にどういう情報が入ってくるか?


 という空間的な情報と、


 どういう流れでその状況にいたったか?


 という時間的な情報を含んでいます。



 これらの情報を、いかに人間の「その感情を生み出す記憶」と
結びつけるか!?


 これがVAKを使うときの真髄です。


 任天堂のゲームがよく使う手法なのですが、まずあらかじめ
プレイヤーに


「このマーク(オブジェクト)があればそこには秘密があるよ」


という情報を与えます。


 そのあとで、その記憶を応用できるように、あらゆる場所に
そのマークを仕込んでおきます。

 そして実際にその秘密を暴かせるんですね。


 VAKの記憶をあらかじめ作ってから、その記憶と状況が
結びつくよう、仕掛けてあるのです。


 これは実は映画などでも使われる手法なのですが、任天堂のゲームは
うまく印象化し、応用しています。


 ゲームの中で記憶を作らなくても、現実世界での記憶があれば、
それと結びつけることでも感情を動かすことができます。


 恐怖系のゲームはその手法の方が多いですね。


 ということでVAKの使い方でした。

(続く)

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ゲームのしくみ ラインナップ
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 あなたも創作活動で食べていく道を考えてみませんか?

■個人ゲーム開発で暮らすための5ステップ
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 現役のゲーム開発会社やゲーム専門学校にも買って頂いております!

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1T-RAM さん

私は普段、ゲームプログラミングをする人間ではなく、ビジネスアプリ作成を
生業としている者です。

ですが、本レポートはゲームプログラミングだけに応用が利く物ではなく、
プログラミング一般に応用の利く物でした。

特に”コーディング中のまずい”などや、関数構成の考え方などは全ての
Cプログラミングにおいて通常は常識とされるべきものと思います。

本レポートは、特に必然的に優秀な人材がやる事になるゲームプログラミングの
世界よりも、誰でも出来る(やらされる)ビジネスアプリ作成の世界に
関わる人間こそ読むべき物ではないかと思いました。


dogfood さん

宮本茂論拝見しました。
ゲームプランナーとして5年働いてきた中で、
感じてはいたものの言葉にできていなかったものが
沢山つまっていた感じがします。
これからもがんばってください!


たっちゃん さん

凄く参考になりました!!
読みながら企画書を作っています。
企画書や仕様書を書く前に必ず読んでから書くようにし、
書き終えたらチェックしながらまた読みたいと思います。


雛己 さん

ゲーム企画書の書き方―基礎編―を読ませていただきました!
自分は中途でゲーム企画業に入ろうとしてる新参者なのですが、
中途の応募に企画書が必要で悩んでた所だったので
とても参考になりました。

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■セコンド・メソッド

●SECOND METHOD:「チェイン・リアクション・フロー」
「ハマるゲームデザイン、基本中の基本」
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●SECOND METHOD:「レベル・コンフリクト・フロー」
「レベルデザインがゲームを制する!」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/conflict.html

●SECOND METHOD:「カウントダウン・フロー」
「ゲームを盛り上げるための流れ」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/countdown.html


■エモーショナル・ゲームデザイン

●エモーショナル・ゲームデザイン:発想法「Don't think feel」
「考えるな、感じるんだ!」
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●エモーショナル・ゲームデザイン:発想法「状況逆算発想法」
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■バックナンバー
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 バックナンバーはこちらで見ることができます。

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■編集後記
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 日曜に独立系のゲーム業界人の人たちとの飲み会に行ってきました。


 そこでやはり、「個人でゲームを創って暮らす」という話になりました。


 私はそれを実現したい、みなさんのバックアップをするのが、
現在の目的です。

(自分でもゲームを作りたいんですがッ!! まずは土台作りです)



 「個人でゲームを創って暮らす」ことのメリットは、やはり自分で
作りたいゲームを作れる、ということです。


 間違いなく、みんなそれをやりたがっています。


 会社ではクライアントの提示する条件があったり、失敗が許されないので
冒険ができなかったりしますが、個人製作ではそういうことはありません。

 自由です。



 個人製作のネックとしては、やはりマンパワーが確保できない、
グラフィックや音楽などの欲しい素材が確保できない、というところでしょう。


 それからなにより、制作のための期間、つまりお金が工面できない
というところが大きいと思います。


 資金面については、

■個人ゲーム開発で暮らすための5ステップ
http://www.n2gdl.net/bookshop/indy/index.html

 で、「どうすればいいか」をまとめました。

 私が実践し、実際に成功している方法です!


 で、素材のほうですが、今着々とそういう素材が手に入る「場」を
作っている最中です。


 個人でゲームを作って自己表現をしたい、その欲求をかなえる場所を
今作っています!!


 ということで、また次回!


※ぜひあなたの声を聞かせてください。

 ↓ここからどうぞ↓
 http://www.n2gdl.net/reviewform/reviewform.html

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 (今まで読んでくださってありがとうございました!)

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