BACK

▽▼───────────────────────────────▽▼
 ハマるしかけを作る! 10年目ゲームクリエイター・ムーブメント研究!
 第121回「GAME 2.0(3)」 2006/09/06(wed)
△▲──────────────────── http://www.n2gdl.net/▲△

 どうもです。ゲームのしくみの新田です。

 やっと涼しくなってきましたね。


 私は東北は秋田の生まれなせいか、暑さにはちょっと弱いです^_^;。

 涼しいというか寒いくらいが落ち着きます(笑)。


 あ、会社がもうすぐ登記されます。

 社名は「N2インタクティヴジャパン株式会社」になりました。


 インタラクティヴは「双方向性」という意味で、ゲームはもちろん、

ネットワーク系のアプリなども含まれ、大きくそういうのをカバーしつつ、

「ジャパン」で日本本部という意味を出し、世界に展開していきたいという

意志を込めました。


 ということで、今後ともどうぞ宜しくお願いしますm(__)m。


 一風変わったコンセプトの会社にしていきます。

───────────────────────────────────
■GAME 2.0(3)
───────────────────────────────────

●プラットフォームとしてのゲーム


 GAME2.0では、ゲーム自体をプラットフォームとして扱います。

 プラットフォームとはなにか? というと、基盤と訳されますね。


 つまり、ゲームが1つの物語や世界に閉じたものになるのではなく、

プレイヤーのコミュニケーションや、各種サービスの基盤となるわけです。



 最近、藤田晋社長で有名な「サイバーエージェント」がゲーム内広告用の

会社を立ち上げたり、海外のネットRPGではゲーム内でピザが注文できたり

していますが、これはゲームを1つのプラットフォームとみなし、

「プレイヤーの暮らし」に密着させていく試みと考えられます。



 生活に密着というと、イメージ的にはゲーム内世界で生活するネットRPGを

プラットフォームとして想像しがちですが、それだけではなく、

短時間で終わるゲームや、プレイしていない間もゲーム内時間が進行する

タイプのゲームでも、プラットフォーム化を考えることができます。



 ここらへんは新しい発想が必要ですが、例えばPCのメールをゲーム内で

受信したりなどが考えられます。

 これはとっかかりとしては緩いものですが…。


 また、次々とコミュニケーション用の素材がアップロードされる

ゲーム(素材は画像、音声のほか、アイテム等ゲーム独自のものもある)が

考えられます。

 こうなるとゲーム内の「素材」の流通は、多様さを極めます。

 これにより、ゲーム内世界は常に質的に再構成されていくことが

容易に想像できますね。


 要するに、プレイヤーがゲーム内世界を変える権利を一部持っており、

それがゲームの楽しさになっていくわけです。



●プレイヤーが起こす意外性



 これで現われてくるのが、「プレイヤーが起こす意外性」です。



 GAME2.0では、ゲームシステムはプレイヤーのさまざまな行動を規定する

受け皿の役割が強くなります。



 プレイヤーの行動、状態、コミュニケーション方法は、

創造されるアイテムや、創造される敵、その他(ゲーム内容による)などに

よって、有限ではあるけれども膨大な選択肢を持ち、その組み合わせによって

プレイに「意外性」が生まれます。



 これは例えば、ゲーム「風来のシレン」で、合成の壺を壁に

ぶつけようとしたら、遠投の腕輪をはめていて、壺が画面外に

飛んでいって中のアイテムごとなくなった…というような、

ゲームシステム開発側も想定しないような「組み合わせ」の

状況が生まれる、ということです。



 プレイヤー自身がゲーム世界を変える権利を持つことは、こういった、

ゲームプレイの「意外性」「新鮮さ」を常に生み出す方向に働きます。



●開発側の変化



 開発側は、プレイヤーの新しい悪性の行動を監視しつつ、

それでいながら基本的にはプレイヤーを信頼し、共同でゲームシステムが

面白くなるように改変していく作業を続けていくことに

なります(永遠のベータ版)。



 長期に渡ってゲームを更新し、新しい面白さを盛り込んでいく姿勢は、

ゲーム開発側にとってパラダイムシフト(視点の変化)です。



 作りきりのゲームではなく、1つのコンセプトにのっとった

「楽しみ」を、システムとして提供し続けていく姿勢・態度が

必要になってきます。

 利用者が多くなるほど、サービスとしてのゲームは拡充されて

いく必要性が出てきます。



 これはなにも現在あるネットゲームの形式だけではありません。

 ブラウザ上で実行される、永続的なゲームだとしたらどんな形に

なるだろうか? と考えてみてください。



 GAME2.0のゲームシステムで重要になってくるのは、ゲームシステムよりも、

そのシステムが生み出す「データ」です。

 「プレイヤーデータ」「フィールドパラメータ」などなど、

面白さの源である「多様性」を生み出すデータが、運営会社の財産になります。



 開発者は、そのデータを利用して、新しい面白さを生み出せないか?

常に検討することになります。



●ロングテールの法則



 ゲームがコミュニケーションのプラットフォームとしての

性質を帯びてくると、システムとしては非常にマイナーで狭いタイプの

コミュニケーションにも対応する必要が出てきます。

 規模は小さいけれども、膨大な数のマイナーなコミュニケーションを

カバーできるようにするしくみが、ゲームの一般化を加速させます。



 今大流行のソーシャル・ネットーワークサイト「mixi」では、

「コミュニティ」と呼ばれる掲示板によるコミュニケーション場所を、

個人が無数に作ることができます。

 個人がどのような話題のコミュニティを作ってもOKですから、

どんなにマイナーな趣味でも仲間が発見できる可能性が出る

わけです。



 こうしたマイナー趣味をカバーできるシステムによって、

コミュニケーションの質が変わります。



 GAME2.0でも、その中で行なわれるコミュニケーションは

多様さをカバーしていくようになります。


 完成された世界観がなくなっていくのではなく、

その世界観の上で、同様の世界が同時並行的に存在するようになるイメージです。

 SFで言う並行宇宙、というイメージです。

 これは現状で言うと、「ディアブロ」などで実現されている、セッション式の

マルチプレイが近いです。



 今回はプラットフォームとしてのゲームから考えられる、GAME2.0の

ゲーム内容の方向性をシェアしてみました。


 ご意見お待ちしております。

 ↓ここからどうぞ↓
 http://www.n2gdl.net/reviewform/reviewform.html

(続く)

───────────────────────────────────
ゲームのしくみ ラインナップ
───────────────────────────────────

 あなたも創作活動で食べていく道を考えてみませんか?

■個人ゲーム開発で暮らすための5ステップ
http://www.n2gdl.net/bookshop/indy/index.html

───────────────────────────────────
■セットパッケージ

 本屋には置いていない、サイトでだけ売っている情報です。

 「高密度の気づきがある!」と好評です。

http://www.n2gdl.net/bookshop/gametips48/gametips48_2.htm#setlist

●ゲームデザイナーズセット
・Gamedesign tips48
・宮本茂論

●プランナーズセット
・Gamedesign tips48
・宮本茂論
・ゲーム仕様書の書き方−基礎編−
・ゲーム企画書の書き方−基礎編−

●デベロッパーズセット
・Gamedesign tips48
・宮本茂論
・ゲーム仕様書の書き方−基礎編−
・ゲーム企画書の書き方−基礎編−
・プログラムの達人1〜3セット

 興味のある方は、以下のURLよりどうぞ。

http://www.n2gdl.net/bookshop/gametips48/gametips48_2.htm#setlist


それぞれ単品でも購入できます。
詳しくはサイトにて。

http://www.n2gdl.net/


■濃密TIPSレポート

■セコンド・メソッド

●SECOND METHOD:「チェイン・リアクション・フロー」
「ハマるゲームデザイン、基本中の基本」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/chain.html

●SECOND METHOD:「レベル・コンフリクト・フロー」
「レベルデザインがゲームを制する!」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/conflict.html

●SECOND METHOD:「カウントダウン・フロー」
「ゲームを盛り上げるための流れ」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/countdown.html


■エモーショナル・ゲームデザイン

●エモーショナル・ゲームデザイン:発想法「Don't think feel」
「考えるな、感じるんだ!」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/dontfeel.html

●エモーショナル・ゲームデザイン:発想法「状況逆算発想法」
「プレイヤーになってほしい状態」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/situation.html

■プランニング

●企画書の書き方「ゲームの面白さを確実に伝える方法」
「採用したい企画書」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/plan_kakujitsu.html


───────────────────────────────────
■バックナンバー
───────────────────────────────────
 バックナンバーはこちらで見ることができます。

http://www.n2gdl.net/magazine/index.html
───────────────────────────────────
■編集後記
───────────────────────────────────

 会社は作りましたが、結局のところこれは誰でもできることで、

その後の運営、展開が重要です。

 どうやって利益を出し、多くの人に貢献する事業を展開していくか。


 「N2」の場合は、エンタテインメントと双方向性メディアの融合を

目指してソフトウェア開発を行います。


 まさにGAME2.0的なソフトウェアを作ります。


 みんなが望んでいる「インディ・ゲーム・デベロッパー」市場の拡大も、

ガンガン力を入れていきますよ!


 ということで、また次回!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●お問い合わせ・感想はinfo@n2gdl.netまで

■発行・編集:ゲームのしくみ研究委員会
■COPYRIGHT (C) 2003 STUDIO N2LAB.
SOLE PROPRIETORSHIP. ALL RIGHT RESERVED.

■URL:http://www.n2gdl.net

このメールマガジンは『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ を利用して
発行しています。配信中止はこちら http://www.n2gdl.net
 (今まで読んでくださってありがとうございました!)

■無断転載は禁止いたします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

BACK


COPYRIGHT (C) 2003 STUDIO N2LAB. SOLE PROPRIETORSHIP. ALL RIGHT RESERVED.
webmaster info@n2gdl.net