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 ハマるしかけを作る! 10年目ゲームクリエイター・ムーブメント研究!
 第129回「ゲーム業界」 2006/11/08(wed)
△▲──────────────────── http://www.n2gdl.net/▲△

 どうもです。ゲームのしくみの新田です。


 これまで独自の「ヒットゲーム・デザイン方法論」を述べてきましたが、

今回からは趣向を変え、「ゲーム業界」についてシェアしたいと思います。



 私はいくつものコンシューマ・ゲームを作りましたが、

現在は「ヒットゲーム・デザイン」による新機軸のゲームを打ち出すべく

資金作りなどを含め、いろいろ活動しています。



 そこで、新しい活動の契機の1つとして、ゲーム業界というものを

ここでもう一度振り返って、これからゲーム業界に入ろう! という人たちの

エールとなるような知識・情報をシェアしていきたいと思います。

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■ゲーム業界に就職する方法
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 先日、ゲーム業界人、ゲーム業界志望者の集まりに出たのですが、

そこで志望者の話を聞きました。



 すると、「ゲーム専門学校卒業の人は、ほとんどIT系に行っており、

ゲーム業界に就職するのは1割ほど」ということでした。



 なぜゲームの専門学校なのに、ゲーム業界に入らないのか? と聞くと、

ゲーム会社が採用してくれないからなのだそうです。

 特にその方はプログラマだったのですが、だいぶ不安げな様子でした。



 確かにゲーム業界は即戦力を求めており、新卒が入るのが難しいんです。

 業界自体は「プログラマがいない!」と悲鳴をあげていますが、

必要なのはある程度のスキルのあるプログラマで、プログラマなら誰でも

いい、というわけではないんですね。



 私がゲーム会社に勤めていた頃は、入ってくる人材は必ずある程度の

スキルを持っているか、経験を持っている人でした。

 ゲーム業界はもともと人月単価が安く、大手かよほど資金繰りのよい

会社でもない限り、若手を育てる余裕などないのです。



 かくゆう私も、コンピュータ系の専門学校を卒業しただけでは

ゲーム業界には採用されず、

「じゃあ、実力がありゃあいいんだろ!! このやろう!!」

ということで、こういうものほとんどひとりで作って、

http://www.n2gdl.net/magazine/vol31extra/rplusr.htm

ゲーム業界に「ようやく」足を突っ込んだわけです。



 このゲーム、楽しげなコメントがついていますが、

バイトをしながらソースプログラムを毎日毎日目を血走らせ

ながらいじり、遊びにも行かずグラフィックを5回ほど

全部書き換え、音楽も独学で何度も何度も曲を試行錯誤して

作りました。



 私は端見「物静かな人」と言われますが、付き合いの長い人からは

「野心家」「中は熱い情熱家」と評されます。



 それは、このゲームを作っているとき、黙々と自分に妥協を

しないよう言い聞かせていたからなのです。

 「絶対認めさせてやる!」という、怨念めいた強い意志があったと

思います(笑)。



 「ゲーム業界に入りたいな」と思っている人に厳しいことを

言うと、まず根性が足りません。

 あと情熱。


 「ゲーム業界に入りたいな」じゃ、だめなわけです。

 「ゲーム業界に入れるかな」じゃ、全然だめ。

 「ゲーム業界に入る!」でもだめです。




 じゃあ、どういうふうならいいのか…というと。




 「おれは絶対ゲーム業界に入る!! 死んでもいいから!!」




 …これくらいの意気込みは欲しいです。

 マスト(must)思考です。

 「絶対にやるんだ!!」という思考です。

 マスト思考! 覚えてください。



 それから「できない」「わからない」は使ってはいけない言葉。

 「できない」じゃなくて、「どうすればできるのか?」

 「わからない」じゃなくて、「調べます」。



 正直、「できない」「わからない」と言っている新人を見ると、

「だめだな、この人」と思います。

 これはゲーム業界じゃなく、どこの業界でもです。

 意欲とか、向上心以前の問題です。



 それから、その集まりでゲーム業界の社長らが言っていたのが、



「新人は当たり前のことができない」



ということでした。

 資料を渡して、エクセルやワードで整理するのができない。

 まずツールの機能を全然覚えていない。

 ウィンドウズの機能すら知らない人もいる。

 学校でなにを習ってきたのか!?

 …ということのようでした。



 私も最初の会社で、新人が入ってきたとき、その彼の机の上に

付箋紙一枚で「このデータをすべて○○に置換して」と書かれて

いたことがありました。メインプランナーの指示でした。

 データはファイル400個分だったと思います。



 しかし置換の機能がわからず、人にも聞かず、ひとりでテンパり、

すごい時間をかけてその作業をやっていたようで、時間までに完成せず、

社長に「きみ、クビ」と一言いわれてクビになっていました。



 「その機能」を知っているか知っていないか。

 それでクビになる。

 理不尽なようですが、ここに即戦力を求めるゲーム会社の姿と、

日々の習熟が不足している新卒者の姿があったように思います。

(まあ私も当初は習熟不足だから落ちたわけですが)



 これを読んでいるゲーム業界に就職したいあなた。

 厳しいことを言っているのではなく、これがゲーム業界の洗礼なのだと

思ってください。


 プログラマは、なにかゲームを完成させてください。

 卒業作品ではなく、個人で。

 それも1つではなく、複数。

 複数作ると覚えていることが違います。



 グラフィッカーは、バインダー数冊にいっぱいになるような、

自分の作品集を作ってください。

 そしてそれを見せて、

「これだけできます! だからこの会社に入れろ! このやろう!」

というアピールができるようにしてください。



 コンポーザーも同様です。

 自分のベストCDを何枚も作りましょう。



 プランナーは、とにかく企画をたくさん考えてください。

 1つを温めているのは無駄です。それが蹴られたら終わりです。



 アイデアをポンポン出せる頭が必要です。

 それから簡単な絵を書けること。エクセル、ワード、テキストエディタ、

フォトショップ、ツール類は習熟してください。

 HSPやFLASHなどで簡単なデモを作れるくらいがベストです。

 ゲームの構造を知ることができるからです。



 プランナーはまた、コミュニケーション能力が必要です。

 率先して人を氣にかけること。メンタル面をフォローすること。

 チームを盛り上げるにはどうしたらいいか? 考えましょう。

 そしてその方法を自分の「道具」と考えてください。



 専門能力がない分、人間的な魅力も必要です。

 幅広い知識も必要です。

 オールマイティであることが必要です。



 ゲーム専門学校で、たらたらとウェブをサーフィンして、

面白ネタを集めて笑っている場合ではないんです。



 自分の夢に一歩でも踏み出す努力をしましょう!

 楽な道はありません。

 今苦労するから、後が楽になるんです。


 ↓感想はこちらまでどうぞ。
 http://www.n2gdl.net/reviewform/reviewform.html

(続く)

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ゲームのしくみ ラインナップ
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 あなたも創作活動で食べていく道を考えてみませんか?

■個人ゲーム開発で暮らすための5ステップ
http://www.n2gdl.net/bookshop/indy/index.html

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■セットパッケージ

 本屋には置いていない、サイトでだけ売っている情報です。

 「高密度の気づきがある!」と好評です。

http://www.n2gdl.net/bookshop/gametips48/gametips48_2.htm#setlist

●ゲームデザイナーズセット
・Gamedesign tips48
・宮本茂論

●プランナーズセット
・Gamedesign tips48
・宮本茂論
・ゲーム仕様書の書き方−基礎編−
・ゲーム企画書の書き方−基礎編−

●デベロッパーズセット
・Gamedesign tips48
・宮本茂論
・ゲーム仕様書の書き方−基礎編−
・ゲーム企画書の書き方−基礎編−
・プログラムの達人1〜3セット

 興味のある方は、以下のURLよりどうぞ。

http://www.n2gdl.net/bookshop/gametips48/gametips48_2.htm#setlist


それぞれ単品でも購入できます。
詳しくはサイトにて。

http://www.n2gdl.net/


■濃密TIPSレポート

■セコンド・メソッド

●SECOND METHOD:「チェイン・リアクション・フロー」
「ハマるゲームデザイン、基本中の基本」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/chain.html

●SECOND METHOD:「レベル・コンフリクト・フロー」
「レベルデザインがゲームを制する!」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/conflict.html

●SECOND METHOD:「カウントダウン・フロー」
「ゲームを盛り上げるための流れ」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/countdown.html


■エモーショナル・ゲームデザイン

●エモーショナル・ゲームデザイン:発想法「Don't think feel」
「考えるな、感じるんだ!」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/dontfeel.html

●エモーショナル・ゲームデザイン:発想法「状況逆算発想法」
「プレイヤーになってほしい状態」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/situation.html

■プランニング

●企画書の書き方「ゲームの面白さを確実に伝える方法」
「採用したい企画書」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/plan_kakujitsu.html


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■バックナンバー
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 バックナンバーはこちらで見ることができます。

http://www.n2gdl.net/magazine/index.html
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■編集後記
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 先日募集した「ゲームのしくみに協力してくれる方募集!」には、

数多くの方が応募してくれました。


 さまざまなスキルを持った人が集まり、毎日メールを交換して

どういうことをしようか? したいか? の意見を交換しています。


 まだまだ募集していますよ〜!!

 ↓ ここから件名を「協力するぜ!!」でどうぞ。

 http://www.n2gdl.net/reviewform/reviewform.html



 さて、今回は久しぶりに読者投稿のコーナー!! です。

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長井 さん

GAME 2.0についてはこれからどんどんでてきそうですね。
「みんなで集まって何かをする」ってゲーム(テレビケームに限らず広い意味で)
根本的なことですもんね。

私もひとつ考えてみました。

ゲーム内でマップの素となるようなアイテム(たとえば地形の素ようなもの
だったり、気候の素みたいなものだったり)を手に入れて、マップをプレイヤーが
作れるようにします。

そして、組み合わされたマップの素を情報にしてマップが自動生成される
ようにします。

こうすればプレイヤーはマップを作ることでゲームが進むのでいくつもの
マップができます。

それをネットワークでつなげたら面白いかもってシステムです。

ネットにつないでないときは自分用にマップを作る。
でも、つなげているときは誰かの作ったマップに出かける。
みんなで遊んでもらいたくて作る人も出てきそうです。
さらに、人と共同して作れるようにすればもっといろいろな世界ができます。

みんなで作ってみんなで遊ぶって感じです。

まだまだアイディアの段階ですがこういう感じですか?
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 GAME2.0では、プレイヤーのコミュニケーションを活用したゲームが

主軸になるわけなんですね。


 そして長井さんの書いているように、「プレイヤーが作った素材」に

よって、ゲームが形成されていく。


 そこには、何度遊んでも新鮮な展開が待っている。

 意外性のある展開が待っている。

 だから、ドキドキする。


 そう! そういうアイデアが、今後のゲームを作っていくんです!


 ということで、また次回! YES!

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●お問い合わせ・感想はinfo@n2gdl.netまで

■発行・編集:ゲームのしくみ研究委員会

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 (今まで読んでくださってありがとうございました!)

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